活性型ゴムレジン(バイオラバー)を活用した最新ガン治療法開発

米国ガン治療学会(ASCO)が正式承認

 

米国ガン治療学会(ASCO)正会員で医学博士の島 博基(現 兵庫医科大学主任教授)は、2005年5月に米国ガン治療学会(ASCO)で、正式承認された「ガン抑制遺伝子等の活性化療法」を基礎として、この度この研究のコア技術となっている活性型ゴムレジン(バイオラバー)を応用活用し、「異なる形のヒトガン細胞死滅の革新的治療法」を世界で初めて発表致しました。今回の「ヒトガン細胞死滅治療法」は、その革新的内容をASCO(米国ガン治療学会)も高く評価し、本年(2007年)2月23日~24日に米国フロリダ州オーランドで開催されました同学会(ASCO 前立腺癌シンポジウム)で正式承認を受け、同学会の学会報告書に記載されました。この新しい治療法は、すでに試験管内(in vitro)及び生体内(in vivo)において、ガン抑制および死滅効果があることを正しく確認致しております。その内容を二つに大別して説明を申し上げます。

 

1. 新治療法の一つ目として、異なるヒト前立腺ガン細胞(ホルモン不応性ガン細胞を含む)の三種類(Du145、LNCap、PC3)を使って8日間の培養実験を実施致しました。その一番目としては、この度の研究のコア技術試料となっている活性型ゴムレジン(バイオラバー)の外部留置によるガン抑制効果がどれだけ有効であるかを検証、二番目に米国で抗ガン剤の薬剤として使用されている酪酸ナトリウムを1mM(モーラ)投薬(この成分は人体の腸管内に存在する体内物質で、従来の抗ガン剤の薬剤と異なり人体への悪影響がほとんどない物質)によるガン抑制効果を検証し、活性型ゴムレジン(バイオラバー)の優位性を比較致しました。結果は下記の通りです。

 

 

活性型ゴムレジン(バイオラバー)使用

酪酸ナトリウム1mM(モーラ)使用

Du145ガン細胞

約37%減少

約8%減少

LNCapガン細胞

約81%減少

約81%減少

PC3ガン細胞

約57%減少

約1.3%減少

 

 

<培養実験(in vitro)>

3種類のガン細胞の中で最も増殖力の弱いガン細胞LNCapのみ、活性型ゴムレジン(バイオラバー)と抗ガン剤使用薬剤の酪酸ナトリウムはほぼ同程度(約81%減少)のガン抑制効果を示しましたが、ホルモン不応性のガン細胞Du145や、同じく最も増殖力の強いガン細胞PC3では、圧倒的に活性型ゴムレジン(バイオラバー)の方(37%~57%減少)が、酪酸ナトリウム(1.3%~8%減少のみ)よりも、ガン抑制効果があることを正しく確認致しました。この培養実験の内容を学術的により正確に把握証明する為、生体内(in vivo)実験もヌードマウス(細胞免疫系を持たないマウス)にてホルモン不応性のDu145ヒト前立腺ガン細胞を移植し実施したところ、60日目と79日目にガン細胞が抑制されていることも確認致しました。また、学会発表をまだしていない最新の結果として、LNCapガン細胞では活性型ゴムレジン(バイオラバー)だけで、移植後16日目に増殖が抑制されたことも確認を致しております。この検証結果により、異なるヒトガン細胞に活性型ゴムレジン(バイオラバー)は、非常に有効にガン抑制効果があることがわかりました。

 

2. そしてもう一つの新しい治療法は、米国で抗ガン剤の薬剤として使用されている酪酸ナトリウムをはるかに超える強いガン抑制効果のあることが検証された活性型ゴムレジン(バイオラバー)と、米国で抗ガンとして使用されている低濃度酪酸ナトリウムの併用により、異なるヒトガン細胞を完全に死滅させることに成功致しました。内容としては、外部に活性型ゴムレジン(バイオラバー)を留置し、培養ヒトガン細胞に酪酸ナトリウムを1mM(モーラ)、2mM(モーラ)、3mM(モーラ)添加した結果、下記のような結果となりました。

 

 

ヒトガン細胞の種類

Du145

(ホルモン不応性)

LNCap

PC3

(ホルモン不応性)

活性型ゴムレジン(バイオラバー)未使用

酪酸ナトリウム未使用

生存割合

244

336

859

減少率

0%

0%

0%

活性型ゴムレジン(バイオラバー)使用

酪酸ナトリウム使用1mM(モーラ)添加

生存割合

35

0   死滅

205

減少率

約86%減少

100%減少

約76%減少

活性型ゴムレジン(バイオラバー)使用

酪酸ナトリウム使用2mM(モーラ)添加

生存割合

0   死滅

38

減少率

100%減少

約95%減少

活性型ゴムレジン(バイオラバー)使用

酪酸ナトリウム使用3mM(モーラ)添加

生存割合

0   死滅

減少率

100%減少

 

 

 

<培養実験(in vitro)>

以上のように活性型ゴムレジン(バイオラバー)と低濃度酪酸ナトリウムにより培養実験8日間で、Du145は活性型ゴムレジン(バイオラバー)と酪酸ナトリウム2mM(モーラ)、LNCapは活性型ゴムレジン(バイオラバー)と酪酸ナトリウム1mM(モーラ)、PC3は活性型ゴムレジン(バイオラバー)と酪酸ナトリウム3mM(モーラ)で、すべてのガン細胞が死滅することを確認致しました。また、この実験でも生体内(in vivo)でのガン細胞の抑制および死滅がヌードマウス実験でも確認を致しました。また、学会発表をまだしていない最新の結果として、ヌードマウスに移植したDu145ヒト前立腺ガン細胞に、活性型ゴムレジン(バイオラバー)と、低濃度酪酸ナトリウムを同時に使うと、移植後20日目にガン細胞の増殖が生体内で統計的有意に抑制されたことも確認を致しております。


< 新治療法開発の主旨と背景 >

今回は、世界中で新しい治療法の開発が急ぎ望まれているホルモン不応性(男性ホルモンを除去しても増殖し続ける)前立腺ガンに着目をして研究を進めて参りました。欧米において男性が発症するガンの約70%以上がこの前立腺ガンであり、日本でも西洋の生活様式に変化する中、日本人男性においてもこの前立腺ガンの発症率は年々増加の傾向にあります。代表的なヒト前立腺ガン細胞は、Du145、LNCap、PC3の3種類があり、その内のLNCapのみ、唯一男性ホルモン(テストステロン)を除去することで一時的にガン細胞の増殖を抑制出来るものです。しかし、残りの2つの前立腺ガンのDu145とPC3は、ホルモン不応性前立腺ガンで男性ホルモン(テストステロン)を除去しても増殖を続けるガン細胞の為、一般によく行われる前立腺ガンのホルモン治療では全く効果が出ないガンであります。上記のような現在の治療方法を一新し、今回の研究成果にて新しい治療法が開発されました。

 

< 実験方法 >

1.     ヒトガン細胞3種類(①Du145 ②LNCap ③PC3)を、96穴培養皿にて培養し、活性型ゴムレジン(バイオラバー)を培養皿上下に留置しました。この上に酪酸ナトリウムの濃度を培養液中に0、1、2、3mM(ミリモーラ)になるように添加しました。対照群は活性型ゴムレジン(バイオラバー)を培養皿上下に留置しませんでした。

2.     ホルモン不応性前立腺ガン細胞Du145をヌードマウスに移植し、そのマウスを飼うケージ(檻)を2群に分け、1群には活性型ゴムレジン(バイオラバー)を外部に留置しました。もう1群には、活性型ゴムレジン(バイオラバー)を留置しませんでした。尚、ヌードマウスは、免疫系を持たない為、活性型ゴムレジン(バイオラバー)が直接ガン細胞を抑制するかの確認を視野に入れ検証しました。

 

< 実験結果 >

1.     3種類のヒト前立腺ガン細胞(Du145・LNCap・PC3)は、3種類とも表の左側活性型ゴムレジン(バイオラバー)なしと表右側の活性型ゴムレジン(バイオラバー)有りの比較で①(0mM)Du145が244→154、LNCap336→63、PC3の859→371と外部に活性型ゴムレジン(バイオラバー)を留置するだけで3種類の全ての前立腺ガン細胞は増殖が抑制されることを確認しました。そして表の②酪酸ナトリウム(1mM)においては、活性型ゴムレジン(バイオラバー)なしの場合がDu145が244→223、LNCap336→61、PC3の859→847となり③(2mM)では、Du145が244→75、LNCap336→0、PC3は859→622、④(3mM)では、Du145が244→17、LNCapが366→0、PC3は859→301となったのに対して、活性型ゴムレジン(バイオラバー)有の場合は、②(1mM)でDu145が154→35、LNCapは63→0(死滅)、PC3が371→205、③(2mM)でDu145が154→0(死滅)、LNCapが63→0(死滅)、PC3が371→38、④(3mM)では、Du145が154→0(死滅)、LNCap63→0(死滅)、PC3が371→0(死滅)と3種類の全てのガン細胞は、活性型ゴムレジン(バイオラバー)を留置することで全てが死滅し、激的効果が確認出来ました。又、1.の実験では、上記の実験を行うとともに、培養細胞の中で活性化したメッセンジャーRNAを調べる為にヒトcDNA(1.2K)のマイクロアレイを行い、発現された遺伝子の確認をRT PCR法により行ないました。また細胞の増殖パターンは培養2、5、8日目に、また同時にアポトーシス現象の有無をレーザースキャニングサイトメーターにより調査しました。分析結果は、ガン細胞がアポトーシスに誘導されていることをも確認しました。

2. ヌードマウスに移植されたDu145ガン細胞の増殖は、外部に活性型ゴムレジン(バイオラバー)を留置した群のみ統計的に有為に60日目と79日目に抑制を確認しました。これにより、活性型ゴムレジン(バイオラバー)は、直接ガン細胞を抑制する効果があることも確認しました。その後の追加実験ではDu145ヒト前立腺ガン細胞で、活性型ゴムレジン(バイオラバー)と低濃度酪酸ナトリウムを同時に使うと、移植後20日目にガン細胞の増殖が生体内で統計的有意に抑制されています。またLNCapガン細胞では活性型ゴムレジン(バイオラバー)だけで、移植後16日目に増殖が抑制されていました。

 

ヒトガン細胞の生存割合

活性型ゴムレジン(バイオラバー)なし

活性型ゴムレジン(バイオラバー)あり

Du145

(ホルモン不応性)

LNCap

 

PC3

(ホルモン不応性)

Du145

(ホルモン不応性)

LNCap

 

PC3

(ホルモン不応性)

酪酸ナトリウム無添加

244

336

859

154

63

371

酪酸ナトリウム(1mM)添加

223

61

847

35

0

205

酪酸ナトリウム(2mM)添加

75

0

622

0

0

38

酪酸ナトリウム(3mM)添加

17

0

301

0

0

0

 

 

 

 

 

<培養実験(in vitro)>

< 総括 >

外部に活性型ゴムレジン(バイオラバー)を留置したヒト前立腺ガン細胞の増殖が、試験管内及び生体内において、ホルモン不応性ガン細胞を含む全てのガン細胞を抑制することを確認致しました。また、活性型ゴムレジン(バイオラバー)と低濃度酪酸ナトリウムの添加を併用することにより、3種類のヒト前立腺ガン細胞は全て死滅致しました。よってこの新しい治療法は、ホルモン不応性ヒト前立腺ガンに対する革新的治療法となることを確信致します。酪酸ナトリウムは活性型のクロマチンを誘導することが知られています。活性型ゴムレジン(バイオラバー)は同様の働きがあることをDNAアレイとレーザースキャニングサイトメーターから証明しました。これらの検証により、前立腺ガンのみならず、他の部位でのガンについても同じ癌抑制効果が期待される為、他の部位での検証も今後視野に入れ研究を続けたいと存じます。

 

※活性型ゴムレジンは、山本化学工業㈱製バイオラバーを使用した。